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逃亡者は北へ向かう/柚月 裕子【レビュー】

★★★★

哀しくて悔しくて堪らない。

一通の手紙を握りしめ震災直後の東北へ向かう22歳の真柴亮。

貰い事故のような形で犯罪者となり、その後も不運などと軽い言葉で片付けられない壮絶な負の連鎖。

何故、善良な彼がそんな理不尽な目に遭わなくてはいけないのか。
何か一つでも違えば彼の人生は全く別なものになっただろう。

「起きた出来事そのものは短絡的に見えても、物事には本人にしかわからない事情が絡んでいるものだ」
文中のこの言葉が心に刺さる。

どうか彼を救って欲しいと祈る様に読み進めた。

エピローグで溢れた涙が止まらない。
余りにも不条理だ。




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