★★★
「餓鬼の田」「フーグ」「白鳥の歌」「こっくりさん」
2009年から2022年の間に初出された中短編が収録された作品集。
一話目は地元・立山が舞台という事もあり、良く知る観光名所を脳内で再生しながら読み進める。
これと言った欠点もないが何故か女性に縁がない奇妙な宿命を背負った男性。
ラスト7行の反転が不気味な余韻を残す。
最終話の『こっくりさん』は放課後の美術室で息を潜めながら友達と行った事を思い出した。
本作で描かれるこっくりさんは、イヤミスとホラーを融合したような趣。
四編に共通して描かれる秋雨がダークさを醸し出す。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。