わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

白鳥とコウモリ/東野 圭吾【レビュー】

★★★★

人の心の奥深さを想い溜息が出る。

1984年と2017年に起きた二つの殺人事件。
その事件に関わった者達と家族の心情が緻密に描かれる。

事件の裏側に隠れた真実を蔑ろにし裁判の為に形だけを整える検事と弁護士。
真実を突き止める事が必ずしも得策ではないと知りながら真相を追い求める加害者家族と被害者遺族。

任務に携わる者と当事者、両者の温度差が歯がゆい。

又被害者と加害者は些細なきっかけで反転する存在である事、誰かを守る為の嘘も時に仇になる事も思い知らされる。

人生を狂わされた家族を思うと罪を憎んで人を憎まずなんて言えない。




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