★★★★
人生色々、家族も色々とは思うものの、この小説で描かれる家族も例外ではない。
イタリア人の若い女と恋仲になり、家族を捨てて出ていった夫が25年ぶりに園芸店を営む自宅に戻る所から物語は始まる。
調子の良過ぎる夫に呆れ、反応が薄い妻に薄気味悪さを感じる。
そんな中、猫には猛毒な百合の花の中毒性が語られ、サスペンスフルな展開になるかと思いきや、妻と従業員との恋愛、同居する長女夫婦の謎めいた関係、次女と上司の不倫と、其々が抱える問題と心の揺らぎが不穏なタッチで描かれる。
曖昧模糊な家族の形態にリアルな人間臭さを感じた作品。
はじめまして。
255文字で本の感想を書いています。
選書の参考になれば嬉しいです。
☆受賞歴☆
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第5回 ベストレビュアー賞受賞 「僕が僕をやめる日」
応募数92件 HN・よつば
松村 涼哉『僕が僕をやめる日』 第5回 レビュアー大賞 2020年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第6回 優秀レビュアー賞受賞 「かがみの孤城」
応募数599件 HN・よつば
辻村 深月『かがみの孤城』 第6回レビュアー大賞 2021年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第7回 ベストレビュアー賞受賞 「逆ソクラテス」
応募数748件 HN・よつば
伊坂 幸太郎『逆ソクラテス』 第7回レビュアー大賞 2023年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
ブクログ BEST USER AWARD 2023 Silver賞 HN・よつば