★★★★
例えば、喉から手が出るほどに欲しい物をあの子が持っている。
それは可愛さだったり、優しい家族だったり、好きな異性からの好意だったりと様々。
本作は閉塞的な村を舞台に『どうしてわたしはあの子じゃないの』という切ない思い、葛藤が繊細な言葉で瑞々しく描かれている。
主人公・三島天の都会に対する憧れ。
ここではないどこかへ行けば運命が切り開かれるのでは?といった思いに共感する。
中学生時代を共に過ごした天、ミナ、藤生の三人が30歳になった今だから言える素直な言葉に希望を感じ、他の誰でもない自分自身を大切に生きたいと思える。

幼少期から本が大好きな四つ葉と申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。