★★★★
欠かさず読んでいる大好きな作家、乃南アサさんの長編小説です。
「いつか陽のあたる場所で」「すれ違う背中を」に続く前科を持つ2人の女性、芭子と綾香を描いた連作シリーズの完結編になります。
いつも、あとがきから読み始めるのですが、今回そのあとがきに書かれた内容
(著者自身が震災の日に仙台にいた事実)を読んで、いつもより、より丁寧に文字を追いました。
元々、乃南アサさんの作品は小説でありながら、ノンフィクションに近いリアリティある内容が多いので、毎回感情移入して読ませて頂いていますが、今回は著者自ら経験された事なども織り交ぜながら、描かれていますので、より一層、リアルでした。
前科を持つ芭子と綾香の行く末が気になって、読み続けた作品ですが、最後、読後感の良い完結でホッとしました。
いつもながらの、丁寧な文章と巧みな人物描写
そして今回は震災の様子も解り易く丁寧に描かれていて、絶えず脳内映像で風景が流れました。
やはり乃南アサさんの小説は読み応えがあります。
次作も期待して待ちたいと思います。

幼少期から本が大好きな四つ葉と申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。