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五年後に/咲沢 くれは【レビュー】

★★★

「五年後に」「渡船場で」「眠るひと」「教室の匂いのなかで」
4話収録の短編集。

表題作は、第40回小説推理新人賞受賞作品。

全話の主人公が中学校の教師という設定は中学教師を11年間務めた著者ならでは。

「五年後に言うてくれたら嬉しいのに」
男性教師が女子生徒からの告白に答えたその一言。

その「何気なく」出た言葉に怯える教師・安崎華。

その一言に込められた意味合いは受け止める側で大きな落差があって、その言葉に囚われ続ける華の行動は理解し難い悪意となり心がざわめく。

イジメをテーマにした最終話は感情の機微の繊細な描写が秀逸。




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