★★★
レトロな下宿「真綿荘」を舞台に繰り広げられるドラマを、時に楽しく時に切なく描いた連作小説集
「青少年のための手引き」「清潔な視線」「シスター」「海へむかう魚たち」「押入れの傍観者」「真綿荘の恋人」の全6篇で構成されています。
超絶に性格の悪い美女に駆け落ちを迫られる大和君、彼に片想い中だが先輩に告白されて揺れる鯨ちゃん、女子高生の恋人の一途な愛情表現に戸惑う男嫌いでクールな椿。
そして17年前ただ一度自分を抱いた男・晴雨(せう)を内縁の夫と呼ぶ大家小説家の綿貫さん。
一見どこにでもいそうな人々だが、1人1人の人物描写が巧みで「真綿荘」や彼らの生活を覗いている様な錯覚に陥ります。
脳内映像と共に最後まで楽しく読めました。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。