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朔と新/いとう みく【レビュー】

★★★★

いとうみくさんの作品はいつもヒリヒリする痛みを伴う。

仙台に向かう高速バスに乗っていた朔と新。
バスが横転する事故に巻き込まれ兄の朔は視力を失ってしまう。

本来なら前日に両親と共に帰省していたはずが、弟の新が母親と衝突した事で運命が変わってしまったのだ。

失明の原因は事故なのに、自分を責めて大好きだった陸上を止めてしまった新の思い、そして母親の容赦ない言葉に胸が苦しくなる。

ブラインドマラソンに挑戦する事で朔と新、それぞれに光が見えて来た事に救われる。

一本のロープを握り共に走る朔と新の姿を想像して涙が溢れた。

良作。




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