★★★
新生児の入れ替わり
それ自体は過去にも存在したテーマですが
本作は母親自身が自ら取り替えると言うショッキングな内容で先が気になり一気読みでした。
初めて読む作家さんでしたが文章はとても読みやすかったです。
ただ全体的に少しづつ浅い印象があり、一番肝心な、自ら産んだ子を自らの手で「取り替え」た、繭子の動機がぼやけてしまい共感出来る部分がないまま読了。
帝王切開での出産、育児への不安、母親との関係性等、どれもそこまで追い詰められる程の緊迫性も感じられず、国際線パイロットの夫を持つ主婦でありながら何故?と思わざるを得ませんでした。
登場人物が少ない割に、繭子と繭子の夫、取り替えた新生児の母であり、母親学級で一緒だった郁絵やその夫、繭子の母親、それぞれの内面も描き切れていない印象を受けました。
繭子の夫がパイロイットと言う事もあり名付けた「航太」と言う名前に対して
郁絵の息子の名前が「璃空」と言う名前もややこしく感じ読みづらさもありました。
結末が気になり短時間で読了しましたが、誰も幸せにならず光が見えない結末で子供達の将来を考えた時、悲しさだけが残りました。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。