わたしは栞を挟まない|sayuriの読書ブログ

不等辺五角形/貫井 徳郎【レビュー】

★★★★

何か事件が起きると周囲の人々は口を揃えて「犯罪を犯すような人には見えなかった」と言う。

本作は五人の男女間で起きた殺人事件を、三人の証言を元に紐解いていくミステリー。

自己保身や嘘、思い込みで、被疑者と被害者への印象にズレが生じていく。

どんな人間にも多面性があり、一つの角度から見ただけでその人を判断する事の危うさを実感した。

三人の証言の最後には自首した被疑者本人の独白があり、殺人事件の真相が明らかになる。

マチズモへの嫌悪と父親に対しての反乱、同性愛への関心、張り巡らされた伏線に気付き、作者の企みに思わず唸る。




  • 人気のレビュー
  • 関連するレビュー

気軽にコメントどうぞ

*
*
* (公開されません)