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日比野豆腐店/小野寺 史宜【レビュー】

★★★★

温かかった。

悲しい別れが描かれているが、手を取り心を寄せ合って生きる市井の人達の善良さに心が温まる。

物語の舞台となるのは東京の町なかにひっそりと佇む「日比野豆腐店」。

店主の清道を亡くした日比野家だったが、祖母の初、妻の咲子、咲子の息子・令哉が店を守るべく奮闘する姿にジンと来る。

彼らを取り巻く人達も、なんら特別な事はないけれど皆、心根が優しく、読みながら頬が緩んだ。

当たり前の今日なんてなく、いつ誰に何が起こってもおかしくない。

ひたむきに生きる日比野家の姿に心打たれ、かけがえのない時間を大切にしようと思える。




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