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遠い町できみは/高遠 ちとせ【レビュー】

★★★★

第12回ポプラ社小説新人賞特別賞受賞作。

主人公の鳴海翔は母を亡くし、祖母の家に預けられた。
そこで出会ったのは母親からネグレクトを受けている大也と、義父から日常的に暴力を受けている美波。

まだ小学6年生の3人に対し過酷とも思える現実だ。

ありがちな設定ではあるものの、彼らの日常にサーフィンが取り入れられている事で物語に深みが増していた。

凪の日もあれば荒れ狂う大波の日もある。

サーフボードを操る彼らと、日々の困難を乗り越えていく姿がオーバーラップして胸が熱くなった。

終盤の展開が特にいい。
穏やかな気持ちで本を閉じた。




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