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ヒロイン/桜木 紫乃【レビュー】

★★★★★

片時も目が離せず、指名手配犯・岡本啓美の逃亡劇を見守り続けた。

母親の抑圧から逃げ「光の心教団」の信者となった啓美。
何も知らされないまま取った行動により、1995年に渋谷駅で起きた毒ガス散布事件の実行犯と見なされ、指名手配される。

彼女こそが被害者だったはずなのに…。

最初の判断を誤った事で、積み重なっていく嘘と罪。

名前を変え他人に成りすまし、束の間の幸せな時間を過ごす彼女に安堵する気持と、一方で残虐な犯罪に手を染める底知れぬ恐ろしさに感情が揺さぶられ続けた。

波乱に満ちた17年間の逃亡劇の全てを見届けて欲しい。




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