★★★
民営刑務所が舞台だが、荒々しさは感じられず、むしろ静けさを伴いながら物語は進んでいく。
五話収録の連作短編は各話ごとに視点が変化する。
新人の女性刑務官・河合凪と復讐殺人を犯した囚人・阿久津真哉の二人を中心に、事件に関わった者達の心情が丁寧な心理描写で描かれる。
被害者は加害者になり、新たな被害者を生む。
負の連鎖を断ち切る事の難しさを痛感する。
少年法で守られ、罪悪感を持たない少年や、家庭内暴力を繰り返す輩に怒りが込み上げた。
文中に何度も登場する「後悔してますか」の言葉が印象的。
看守と囚人達の思いが胸に迫る一冊。
はじめまして。
255文字で本の感想を書いています。
選書の参考になれば嬉しいです。
☆受賞歴☆
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第5回 ベストレビュアー賞受賞 「僕が僕をやめる日」
応募数92件 HN・よつば
松村 涼哉『僕が僕をやめる日』 第5回 レビュアー大賞 2020年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第6回 優秀レビュアー賞受賞 「かがみの孤城」
応募数599件 HN・よつば
辻村 深月『かがみの孤城』 第6回レビュアー大賞 2021年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第7回 ベストレビュアー賞受賞 「逆ソクラテス」
応募数748件 HN・よつば
伊坂 幸太郎『逆ソクラテス』 第7回レビュアー大賞 2023年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
ブクログ BEST USER AWARD 2023 Silver賞 HN・よつば