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嗤う淑女/中山 七里【レビュー】

★★★★

「野々宮恭子」ののみや きょうこ

「鷺沼紗代」 さぎぬま さよ

「野々宮弘樹」ののみや ひろき

「古巻佳恵 」ふるまき よしえ

「蒲生美智留」 がもう みちる

の5章で構成された連作短編集

並外れた美貌とスタイル、賢さと巧みな話術を持つ稀代の悪女 蒲生美智留
蒲生美智留によって人生を狂わされて行く人々が描かれています。

近親相姦、虐待、横領、殺人等 、これでもかと言うくらいハードな内容でそして登場人物の一人として共感出来る人物もいないのに先が気になって一気読みでした。

美智留の話術はあたかも宗教を思わせる様な洗脳めいた物があり少し考えれば間違いだと解る様な事でも皆見事にコロっと騙されて行きます。

美智留と言う怪物を生んだ背景には同情する面が多々ありましたがそれをもってしても恐ろしい、帯にある様に本当の悪女小説です。

最後のどんでん返しまで目が離せなく、至る所に張られていた伏線もラストにはパズルのピースが全て収まる場所にきっちり収まり読後感は決して良くないけれど面白く読みました。

タイトルを「笑う」ではなく「嗤う」にした辺り美智留のイメージを如実に表現していました。




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