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ななみの海/朝比奈 あすか【レビュー】

★★★★

大人にも刺さる青春小説。

主人公は児童養護施設で暮らす高校生のななみ。
医学部進学を目指し勉強にアルバイトにと精を出す。

仲が良い友人もいてダンス部の活動にも全力投球。
こう書くと在り来たりな青春小説の様だが、施設という環境にいるが故の、鬱屈とした思いを抱える主人公の心の機微に触れた描写は秀逸。

施設内で暮らす子供達や友人と自分を比較し無意識にマウントを取ったり、そんな自分に気付いて後悔したり彼女の心の揺らぎに共感する。

施設職員の言葉にしない深い愛情には胸が熱くなる。

帯の『いい大人になりたい』
読後は心からそう思う。




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