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星のように離れて雨のように散った/島本 理生【レビュー】

★★★

コロナ禍を背景に、人生の岐路に立つ女子大学院生・春の心の機微を描いた物語。

主人公の春、恋人の亜紀、バイト先の作家・吉沢、ゼミ仲間の篠田、大学院の同級生・売野。登場人物は皆個性的で、どこか掴みどころがない。

春と亜紀も恋人同士でありながら、互いに透明な膜を張っているかの様で決して心地良い関係性には見えない。

幼少期に父親が失踪した過去を持ち自分自身が分からなくなっていた春だったが、人と関わる事で内面が浮き彫りになって行く。

甘やかさと辛辣さが交互に襲って来てヒリつく。
硝子細工で作られた様な島本ワールド全開の作品。




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