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我が産声を聞きに/白石 一文【レビュー】

★★★

青天の霹靂、読み始めて真っ先にこの言葉が浮かんだ。

「実は、好きな人がいるんだ」「今日から彼女の家に行くつもりなんだ」
肺がんの告知を受けたその日に、22年間連れ添った妻に向かい愛人の存在をシレっと言う54歳の夫。

いやいやいや、ないから。それおかしいから。

日常の出来事を報告するかの様に淡々と、それも悪気なく、妻の気持ちを一切無視して話し続ける夫はこの妻でなくとも理解不能だ。
自分の人生台無しなんて言う夫にフツフツと怒りが湧いて来る。

夫婦であっても心の中は分からないものだ。

人生をここまで自由に生きられたら最高だ。




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