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星影さやかに/古内 一絵【レビュー】

★★★

「錦秋のトンネル」「泥鰌とり」「良人の薯蕷」「御真影」
昭和十九年から二十六年までを描いた四話に「昭和三十九年 東京」「昭和三十九年大晦日 古川」の二篇を加えた連作短編集。

物語の舞台は宮城県古川市。

鬼婆の様だが情に厚い面を持つ祖母の多嘉子、自身の正しさを貫き、その純粋さ故に心を病んだ父と、家族の為に黙々と働く母、そしてこの物語の主人公である次男の良彦。

戦争や震災を背景に、この世の理不尽さと、人間の感情の奥深さが描かれる。

激動の時代に生きたこの家族を想いながら改めて命の尊さを知り、生きる意味を考えさせられる。




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