わたしは栞を挟まない|sayuriの読書ブログ

小さな理由/森 浩美【レビュー】

★★★★

以前読んだ『家族の言い訳』、『こちらの事情』が良かったので、この作品も手に取りました。

本作は「いちばん新しい思い出」「夜の鯉のぼり」「皿を洗う父」「手のひらが覚えてる」「黒たまご」「玄関先の犬」「渡り廊下の向こう」「桜散らず」の8編の短篇が収録されています。

殺人事件や派手な出来事が起こるわけでもなく、あくまで「家族の日常」をテーマに切り取られていますが、毎回飽きずに楽しく読めるのは、自分のすぐそばにある日常、作者曰く「これってあるよね」と思えるエピソードばかりだからだと思います。

優しい文章、そして人物が浮かび上がって来る様なテンポの良い会話が心地よい読書時間でした。

色々あるけど、やっぱり家族って良いなぁ、と読後感も爽やかな気持ちになれる作品です。




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