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天上の火焰/遠田 潤子【レビュー】

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天上の火焔 [ 遠田 潤子 ]
価格:1,980円(税込、送料無料) (2026/1/22時点)

★★★★★

期待を裏切らない重厚な遠田劇場。

舞台は岡山県備前市・伊部。

包容力があり温厚な人間国宝の祖父・路傍。
冷徹で体温を感じさせない轆轤の名手、父・天河。

正反対の二人の狭間で育った城の視点から愛憎と葛藤が描き出されていく。

1300度の炎がうねる窯とは裏腹に親子の関係は凍りついたまま。
天河が一人息子に向ける非情な言動には、思わず怒りすら込み上げた。

だが終盤で明かされる真実に心を揺さぶられ胸が締めつけられる。
求めていたものは皆同じで何一つ違わないのに。

静謐な筆致の奥に情念が静かに燃え続ける。
熱と余韻が長く心に残る一冊。




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