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給水塔から見た虹は/窪 美澄【レビュー】

★★★★

郊外にある古びた団地で暮らすベトナム人のヒュウと同級生の桐乃、桐乃の母・里穂。

現代社会における様々な分断を三人の視点から描いた長編小説。

私の住む町でも外国人技能実習生を頻繁に見掛けるようになった。
仕事終わりに数名で笑い合っている姿に微笑ましいものを感じながらも、親元から離れ日本で生活する彼等の背景を想像すると切なさが込み上げる。

本書ではベトナム戦争後のボートピープルの悲劇も描かれ胸が詰まった。

ヒュウと桐乃の成長物語であると同時に、外国人差別にメスを入れた社会派小説の趣もある。

私達は知る事から始めなければ。




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