わたしは栞を挟まない|sayuriの読書ブログ

あかずめの匣/滝川 さり【レビュー】

★★★★

「窒息の家」
「呪いの死者」
「密室のあなたへ」
「赤頭家の人々」
四章で構成された連作短編集。

人口千人程度が暮らす冠村には“窒息の家”と呼ばれる廃墟が存在し、『あかずめ』という怪異の言い伝えがある。

呪いを解く為に考察する者もいれば、呪いを利用する者もいて人間の底知れぬ悪意にゾッとした。

次々と登場人物に襲い掛かる死の恐怖に、読者の自分まで終始息苦しさを覚えた。

一章はイヤミスの様な読み心地で結末に鳥肌。
読了後、しばらくは閉ざされた空間に行く度にこの物語を思い出しそう。

ホラーとミステリーが融合した読者体験型怪異小説。




  • 人気のレビュー
  • 関連するレビュー

気軽にコメントどうぞ

*
*
* (公開されません)