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汽水域/岩井 圭也【レビュー】

★★★★★

岩井さんの社会派小説。
今回も期待を裏切らない。

死刑になりたいという理由で無差別殺傷事件を起こした深瀬容疑者。
事件記者の安田が深瀬の背景に迫る。

読み進めながら、深瀬と安田の姿がオーバーラップしていく。

成育環境や出逢った人間で善は簡単に悪へと成り代わる。
一つ間違えば深瀬は安田で、自分や他の誰かの可能性だってあっただろう。

己の欲求を満たす為に誰かの人生を断ち切る行為など断じて容認出来ない。

SNS全盛の混沌とした時代に私た達の善悪が問われる。

汽水域とは海水と淡水が入り混じる場所。
タイトルに込められた想いが心に響く。




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