わたしは栞を挟まない|sayuriの読書ブログ

ルミネッセンス/窪 美澄【レビュー】

★★★★

「トワイライトゾーン」
「蛍光」
「ルミネッセンス」
「宵闇」
「冥色」
五話収録の連作短編集。

深い闇の向こうに連れ去られてしまいそうな読み心地。

寂れた町にある築40年を超えた低層の団地、団地内には貯水池、物語の背景だけで気持ちが沈む。

行間からは登場人物達の鬱屈とした思いだけに留まらず、孤独や破壊衝動など負の感情が溢れ出し、読み進むに連れ、自分までどんどん闇に呑み込まれそうになった。

中途半端な善意は相手に見透かされ、利己主義な心の内が露呈されていく姿に人間の愚かさを感じずにはいられない。

紛うことなき窪美澄ワールド。




  • 人気のレビュー
  • 関連するレビュー

気軽にコメントどうぞ

*
*
* (公開されません)