★★★★
「この物語は事実に基づいて書かれています」
プロローグの前に記載されたこの一行が読んでいる間、頭から離れない。
認知症になった80代の女性の視点で書かれた本作は、当事者の不安と恐怖がダイレクトに伝わって来て様々な感情が押し寄せる。
中でも一番強く感じたのは悲しみ。
認知症を患った本人は勿論の事、彼女を支える家族や介護士、誰一人として悪い事をしていないのに病気が「全員悪人」と思わせる。
嫌な記憶が薄れて行くだけならどれ程良いか。
猜疑心が高まり愛していた家族をも憎む。
やり切れない思いになるが他人事ではない現実を感じた。
はじめまして。
255文字で本の感想を書いています。
選書の参考になれば嬉しいです。
☆受賞歴☆
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第5回 ベストレビュアー賞受賞 「僕が僕をやめる日」
応募数92件 HN・よつば
松村 涼哉『僕が僕をやめる日』 第5回 レビュアー大賞 2020年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第6回 優秀レビュアー賞受賞 「かがみの孤城」
応募数599件 HN・よつば
辻村 深月『かがみの孤城』 第6回レビュアー大賞 2021年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第7回 ベストレビュアー賞受賞 「逆ソクラテス」
応募数748件 HN・よつば
伊坂 幸太郎『逆ソクラテス』 第7回レビュアー大賞 2023年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
ブクログ BEST USER AWARD 2023 Silver賞 HN・よつば