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天使と悪魔のシネマ/小野寺 史宜【レビュー】

★★★★

天使と悪魔が活躍する10篇収録のファンタジー短編集。
ファンタジーと言ってもリアルな日常が土台になっているので難なく物語に入り込む事が出来る。

小野寺さんの優しさ溢れる白作品、少しダークな黒作品、どちらも魅力的だけど本作も短い短編の中に様々なドラマが詰まっていて面白かった。

死がテーマになっているだけに暗くなりそうだが、柔らかな文体でそれを感じさせない。

悪魔の容赦なさだけではなく、時にユーモアを交えながら、切なさ、温もりまで感じられる。
悪魔に狙われないような日常を過ごさねば。

喪失感の中に希望を感じる再生の物語。




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