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私を月に連れてって/鈴木 るりか【レビュー】

★★★★

「遠くへ行きたい」「私を月に連れてって」「夜を越えて」
3話収録の連作短編集で『さよなら、田中さん』『太陽はひとりぼっち』に続く田中母子シリーズ第三弾。

今回は『月』がテーマになっている事もあり、月光の裏側の暗い部分が、登場人物の心の闇部分とリンクして描かれている。

花実とお母さん、大家さん、親友の佐知子、ナイスキャラの石井君、2階の住人・賢人など、それぞれが織りなすテンポの良い会話に笑っていると、突如現れる社会問題。

ユーモアと負の感情のバランスがお見事。

若干17歳にしてその知識と語彙の豊富さ、感性に感動する。




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