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白と黒のソナタ/宇佐美 まこと【レビュー】

★★★★

『呪われたピアノ』と不名誉な呼び名を与えられたニーマイヤー。

至高のグランドピアノをめぐり、人々の愛と憎悪が交錯する本作は、深い余韻を残す。

白と黒の世界に魅入られたピアニストと調律師。
心を押し殺し、死へ追い込まれた二人の女性。

もし時代が違っていたなら。
もし華族に生まれなかったなら。
もしあの瞬間、想いを伝えていたなら。

いくつもの if が胸の奥で波紋のように広がり、息が詰まる。

戦前、戦後、そして現在へと時代は連なり、唯一無二のピアノに魅せられた人々の思いも受け継がれていく。

ニーマイヤーは呪いではなく光だった。




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