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ダンス/竹中 優子【レビュー】

★★★

第56回新潮新人賞受賞作、第172回芥川龍之介賞候補作品。

芥川賞系の作品にはやや苦手意識があるが、本作は読みやすくて面白かった。

まず書き出しの一文が良い。

会社で往復ビンタをしてやりたい相手が三人もいるなんて!
物語への吸引力が凄まじい。

ビンタする覚悟を決めて会社へ向かう主人公の女性の事が気になってしょうがない。

三人のうちの一人、先輩の下村さんから聞いたのは、同じ部署内での三角関係。

自分には関係のない事で翻弄され、職場に馴染んでいない自分を憂う彼女の姿が眼に浮かぶ。

終始安定したリズミカルな文章が心地良かった。




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