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花に埋もれる/彩瀬 まる【レビュー】

★★★

「なめらかなくぼみ」
「二十三センチの祝福」
「マイ、マイマイ」
「ふるえる」
「マグノリアの夫」
「花に眩む」
六話収録の短編集。

一行目から彩瀬まるワールド全開。

それぞれの物語は独立していて何の関連性もないけれど全話から男女の満たされない思いがひたひたと迫って来る。

自身の欠乏している部分を埋めるかのように、人やモノに縋り生を紡ぐ。
時折、美しい文章の中に隠れ潜む狂気に気付きゾワッとする瞬間が存在する。
リアルな現実と幻想的な光景が融合されて不思議な空間へ導かれた。

芳醇な花の香りに包まれながら不思議な世界観に浸れる一冊。




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