わたしは栞を挟まない|sayuriの読書ブログ

匿名/柿原 朋哉【レビュー】

★★★

シンプルな文章の中に共感がいくつもあった。

渋谷の屋上で命を絶とうとしていた瞬間、五つの街頭ビジョンに映し出されたミュージックビデオから流れて来た歌声。
物語は、その歌声に救われた越智友香と、覆面アーティストFの視点で交互に語られる。

Fを追う為にTwitterに登録し、推し友を作りオフ会に参加する友香。
だが、生きる糧を見つけた彼女を待ち受けていたのは衝撃の事実だった。

SNS全盛時代の今、誰もが匿名を使う事で起こりうる最悪の事態。

傷ついた心を抱えるFの哀しみに感情移入し、赦せないと言い切る彼女の想いを肯定する。




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