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ママナラナイ/井上 荒野【レビュー】

★★★

「ダイヤモンドウォーター」「檻」「静かな場所」「毛布」「ママナラナイ」
「十七年」「あの娘の名前」「顔」「約束」「おめでとう」
10話収録の短編集。

老若男女のままならない事象を切り取った本作は終始不穏な空気が満ちている。

普段、心の奥深くに隠している様々な感情が、ふとした瞬間に出現した瞬間のリアリティを感じる。

10話は其々が独立した短編で何の関連性もないが、全体から立ち上る性の匂いが生々しさを伴い、それが人間くささを醸し出している。

奇妙で不気味で爽快で、やっぱり不穏。
歪でザラリとしたママナラナイ物語を堪能した。




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