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ボニン浄土/宇佐美 まこと【レビュー】

★★★★

180年と言う時空を超えた歴史の重みと人間ドラマに圧倒された。

1840年、難破した漁船が辿り着いたのはボニンアイランド。
前半はこの物語の要となる部分が描かれ、その後、時代は一気に2020年の現代に飛ぶ。

事故によりチェロの音色が聴こえなくなった13歳の少年・賢人と、祖父母に育てられ自身のルーツを知りたい52歳の恒一郎は、呼び寄せられたかの様にこの島へ向かう。

渦巻き模様の入れ墨、名字が示す血脈、木製の置物の秘密、パズルの欠片に気付くたびに胸を衝かれる。

2つの物語のシンクロはお見事。

輪廻転生を感じ命の尊さを知る。




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