わたしは栞を挟まない|sayuriの読書ブログ

蛍たちの祈り/町田 そのこ【レビュー】

★★★★★

苦しかった。

子供は親を選べない。

生まれながらにして親が犯した罪を背負って生きていかねばならなかった正道の心中を想像しただけで胸が締め付けられる。

親ガチャに外れたとか毒親に当たったとか、そんな言葉で割り切る事が出来ない彼の人生。

奇跡に導かれたような隆之との出逢いで正道の未来に希望の光が見えた瞬間、涙が溢れた。

誰もが声に出せない痛みを抱えている。
互いに共鳴しあい支え合う彼らの関係性は家族以上に家族だった。

子供にとって、親は絶対的な存在で拒否という選択肢はない。

生まれ来る子供たちに蛍たちの祈りが届きますように。




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