わたしは栞を挟まない|sayuriの読書ブログ

妻はりんごを食べない/瀧羽 麻子【レビュー】

★★★

誰にでも秘密がある。
私は隣にいる人の事をどれだけ理解しているんだろうかと考えずにはいられない。

実家へ行ったきり戻って来なくなった妻。
40代に入った小川暁生に突然襲い掛かった「妻の不在」。
彼等に一体なにが起きているのか。

家族小説だと思い読み進めていくと、徐々にミステリーの様相を呈して来る。

思い込みや、あたかも自分が全て知っているかの様な第三者の口ぶりに翻弄された妻の心情が切なかった。

相手を思いやり取った行動が、ボタンの掛け違いであらぬ方向に進む危うさよ。

当人同士が想いを言葉で伝える事の大切さを改めて感じた。




  • 人気のレビュー
  • 関連するレビュー

気軽にコメントどうぞ

*
*
* (公開されません)