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父の回数/王谷 晶【レビュー】

★★★★

「おねえちゃんの儀」
「あのコを知ってる?」
「◀◀(リワインド)」
「父の回数」
「かたす・ほかす・ふてる」
5話収録の短編集。

私達の身近にいそうな人達が織りなす共感ポイントが高い物語も良いけれど、本作は私の周りを見渡しても全くいなさそうな人達のお話。

でもこれがやけに面白い。

毛色の異なる5編だが、登場人物は皆、人生を諦観しているようで、その冷めた目線に興味をそそられる。

無味無臭にも思えるが、どこかおかしみがあり、人間は本当にたくさんの感情で構成されているのだと改めて感じた。

表題作の『父の回数』には呆然。
父よ…。




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