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YABUNONAKA ヤブノナカ/金原 ひとみ【レビュー】

★★★★★

年々凄みを増している金原ひとみさん。

集大成と言っていい圧巻の527頁。
エッジの効いた言葉の応酬と行間から溢れ出す絶望と怒り。

出版界を舞台に、その中で繰り広げられる性的搾取と暴力。
権力を手にした男達の傲慢さに呆れ、社会悪に立ち向かう女性の正義の暴走に戸惑う。

長岡友梨奈の章では自分の怠慢を責められているような気持ちにさえなった。

読了まで時間を要し心身を削られたが間違いなく読んで良かった作品。

昨今、頻繁にメディアに取り上げられる性加害問題に鉄槌を下す破壊力が半端ない一冊。

生半可な気持ちで手にすると痛い目に遭う。




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