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氾濫の家/佐野 広実【レビュー】

Version 1.0.0

★★★

タイトルがドンピシャ。

どんなに嫌な登場人物でも多少理解出来る部分はあるけれど、本作に登場する夫には1ミリの共感も出来なかった。

テーマはズバリ「家父長制」。

家族をお前呼びし命令口調で自分に従わせる夫。
時代錯誤でもなんでもなく、令和の今でもこんな男性の話は幾度も耳にする。

妻が言う「すり減っていく感覚」に共感。
それは私であり多くの女性たちの心の声だと思う。

自分の言動がモラハラだと気付いていない時点で修復は不可能だ。

抑圧からの解放を願い、子ども達のように反乱を起こせと念じるように読んだ。

まさに氾濫して当然の家だ。




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