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眠れない夜にみる夢は/深沢 仁【レビュー】

Version 1.0.0

★★★★

「なにも傷つけないように、おやすみ」
「明日世界は終わらない」
「不自由な大人たち」
「家族の事情」
「砂が落ちきる」
5話収録の短編集。

初読みの作家さんだったが、空気感がとても好み。

身近にはいないけれど、ひょっとしてどこかに存在していそうな人達の人間模様が繊細な筆致で綴られている。

どの作品からもヒリつくような痛みと共に、絶対的な寂寥感が押し寄せて来た。

生きるのが下手くそで、でも優しくて愛おしい。
派手な展開こそないものの歪さが徐々に溶けていく感覚が心地いい。

寂しさをふうわりと優しく包み込んでくれる大人の為の作品集。

※249頁 14行目
誤・おなじかどうは
正・おなじかどうかは




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