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傷と雨傘/カツセ マサヒコ【レビュー】

★★★

登場人物がリレー形式で繋がっていく34編収録のショートストーリー集。

一話の前、序文の二頁だけでちょっと泣きそうになった。
カツセさんの言葉が心の奥深いところへとスッと入り込んで来る。

各話の登場人物は私達のすぐ隣にいそうな人達ばかり。

笑って泣いて、後悔して、また前を向いて。
何気ない日常だけど、かけがえのない日常だと気付かせてくれる。

物語全体に寂寥感が漂うが、それがなんだか心地良くて、波間に揺蕩っている感覚で肩の力を抜いてページを捲った。

傷を抱えた人に、そっと雨傘を差し掛ける事が出来るような人になれればと思う。




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