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人魚が逃げた/青山 美智子【レビュー】

★★★★

「恋は愚か」「街は豊か」「嘘は遥か」「夢は静か」「君は確か」
短編5話とエピローグで構成された連作集。

アンデルセンによるデンマークのおとぎ話『人魚姫』を盛り込んだ愛と夢が詰まった作品。

ファンタジー小説かと思いきや、実は人生の岐路に立たされた男女を描いたリアルな物語で心の機微が繊細に綴られている。

登場人物の葛藤は、どれも身近に感じられ、同じように笑ったり泣いたり共感の連続。
ファンタジーが苦手な人でも、読み進めるうちに嵌っていくはず。

自分自身に掛けた呪縛から解放され、再生していく彼らの姿に清々しさを感じる読後。




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