★★★
もし自分の故郷がダム建設計画で湖の底に沈んでしまったら、私は何を考え、どんな気持ちになるだろう。
そんな事を思いながら読み進めた。
物語は瑞ノ瀬村で暮らす佳代と佳代の娘・雅枝、孫の都、三世代の視点で描かれる。
故郷を愛し守ろうとする佳代の思いとは裏腹に、瑞ノ瀬村になんの思い入れもない娘。
親子であってもすれ違う心。
切なくて胸が締め付けられる。
清少納言の枕草子、春はあけぼのから始まる和歌の一節「山ぎは少し明りて」のタイトルがより一層切なさを増す。
奇しくも令和6年能登半島地震と読むタイミングが重なり哀しい余韻が残る。
はじめまして。
255文字で本の感想を書いています。
選書の参考になれば嬉しいです。
☆受賞歴☆
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第5回 ベストレビュアー賞受賞 「僕が僕をやめる日」
応募数92件 HN・よつば
松村 涼哉『僕が僕をやめる日』 第5回 レビュアー大賞 2020年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第6回 優秀レビュアー賞受賞 「かがみの孤城」
応募数599件 HN・よつば
辻村 深月『かがみの孤城』 第6回レビュアー大賞 2021年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第7回 ベストレビュアー賞受賞 「逆ソクラテス」
応募数748件 HN・よつば
伊坂 幸太郎『逆ソクラテス』 第7回レビュアー大賞 2023年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
ブクログ BEST USER AWARD 2023 Silver賞 HN・よつば