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残された人が編む物語/桂 望実【レビュー】

★★★★

「弟と詩集」「ヘビメタバンド」「最高のデート」「社長の背中」「幼き日の母」
5話収録の連作短編集。

行方不明者捜索協会で働く西山静香と、そこを訪れた依頼者が失踪者の足跡を辿り亡者の人生の物語を編んでいく。

関係者を訪ね歩く中で見えて来るのは良い事ばかりではない。
亡くなった後で知る深い愛情もあれば、家族に隠していたドス黒い本性まで色々だ。

動機も分からぬままの突然の失踪で取り残されていた人達。
真実を知る事できっと彼らは前へと歩み出せるはず。

最終話で綴られる西山静香自身の人生も胸に沁みた。

涙腺が緩む喪失と再生の物語。




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