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春の星を一緒に/藤岡 陽子【レビュー】

★★★★

2017年刊行の『満天のゴール』続編だが前作未読でも問題ない。

主人公は夫と離婚後、京都の実家に移り住み現在看護師として働く40歳の奈緒。

高校生の涼介と80歳になった父親の耕平と共に穏やかな日々を過ごしていたが、家族に不穏な影が忍び寄る。

善良な人達が苦しむ場面は読んでいて辛い。
前半は耕平と亡き父がオーバーラップして涙なしでは読めなかった。

本作では、緩和ケアのリアルと涼介の進路問題も描かれる。

いい子過ぎる涼介の言動に切なさが込み上げたが彼等に寄り添う医師の三上の存在が良かった。

生と死を真摯に見つめた医療小説。




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