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営繕かるかや怪異譚 その肆 (4)/小野 不由美【レビュー】

★★★

「忍びよる」
「迦陵頻伽」
「鉄輪」
「いつか眠りを」
「夜明けの晩に」
「風来たりて」
6話収録の短編集。

各話の登場人物に接点はないが、全話に共通して現れるのは大工の尾端。

住居にまつわる怪異を営繕屋・尾端が修繕し、解決への手引きをする。

工事現場に落ちていたスマホから聴こえる妙な声、暗がりに蹲る黒い猿、柱に打ち付けられた大量の藁人形、風呂場の中で感じる子供の気配、毎夜、夢に現れる灰色の男、近所から聴こえる読経。

どの現象も不気味で読みながら背筋が冷んやりとしていく。

薄皮一枚隔てた先にある死者の世界に誘われそうなホラー。




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