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桜が散っても/森沢 明夫【レビュー】

★★★

なんて不器用な生き方なんだろう。

主人公は趣味の釣りがきっかけで、週末を桑畑村で過ごす山川忠彦。

奇しくも自身が勤める建設会社が桑畑村でリゾート開発を進めている事を知る。

そんな矢先、忠彦の目前で起きた崩落事故により運命の歯車が狂いだす。

自社が関わっていたとはいえ、忠彦個人がそこまで責任を感じて、自分を追い込んでしまう必要があるのだろうか。

ましてや大切な家族を蔑ろにしてまでも。

忠彦の妻と二人の子ども達の気持ちを考えると、やるせなさで胸が詰まった。

最後に家族への想いを知った今でも彼の生き方を肯定する事は出来ない。




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