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灰色の評決/犬塚 理人【レビュー】

★★★★★

デビュー作『人間狩り』で心を鷲掴みされた犬塚理人さんの三作目となる本作も期待を裏切らない。

裁判員制度にミステリを絡めたテーマは新鮮。
リーダビリティ抜群の文章で頁を捲る手が止まらない。

サイコパスを匂わせる衝撃的なプロローグから裁判シーンへの切り替えは鮮やか。
人が人を裁く事の重責、裁判員の葛藤が伝わると共に、誰かの悪意によって冤罪が作られていく可能性に恐怖を感じる。

本作では人間の多面性も描かれ思い込みの危うさと本質を見極める事の大切さを改めて気付かせてくれる。

終盤に至っては緊張感がピーク。
まさかの黒幕に驚愕。

※287頁 後ろから3行目
誤 聞きかせて
正 聞かせて




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