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踊りつかれて/塩田 武士【レビュー】

★★★★★

こんな作品を待っていた。

SNSの誹謗中傷で自ら命を絶ったお笑い芸人と、表舞台から引きずり降ろされた伝説の歌姫。

ある日、二人を追い詰めた83名の個人情報がネットに晒される。

本作は復讐物語ではない。

二人の人生の軌跡が描かれる事で物語に重厚感が増し、誹謗中傷がいかに人の人生を狂わす事になるのか思い知らされる。

一部の情報を鵜呑みにし、背景を想像する事もなく、正義を盾に発信する。
それが真実とは限らないのに。

道を誤る事は誰しもあるはずだ。

凶器を持たなくとも、指一本で誰かを死に追いやる可能性がある事を忘れてはいけない。




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